大手Q&Aサイト(Yahoo!知恵袋など)やSNS上では、言葉の選び方を巡るリアルな失敗談や相談が後を絶ちません。実際の現場でどのようなすれ違いが起きているのか、具体的な事例から教訓を読み解いてみましょう。
都内のITメガベンチャーに勤務する入社3年目のプロジェクトリーダー(26歳・男性)は、役員から「来期の新規事業コンペに、強豪チームと競わせる形でエントリーしてみないか」と打診された際、やる気をアピールしようと笑顔で「はい、望むところです!絶対に勝ちます!」と返答しました。本人は「頼もしい後輩」を演出したつもりでしたが、後日、直属の上司から「意気込みは素晴らしいが、役員に対して『望むところです』という言い方は少し不遜に見えるから気をつけなさい」と注意を受けたといいます。
この事例が示すように、若い世代ではアニメやゲームの影響から「望むところだ=前向きでポジティブなやる気表現」として純粋にインプットされているケースが多々あります。しかし、40代〜50代以上のマネジメント層にとって、この表現は「喧嘩を買うときの啖呵」としての記憶が強く残っています。この世代間における「言葉のトーン&マナーの認識ギャップ」こそが、ビジネス現場で思わぬ摩擦を生む火種となっています。
また、別の相談事例では、クライアントとの価格交渉の席で、相手から「他社との相見積もりで最終決定する」と告げられた営業担当者が、「受けて立ちます」と返してしまい、商談の空気が一瞬で凍りついたという失敗も報告されています。ビジネスは勝ち負けを競う決闘ではなく、双方の利益を追求するパートナーシップであるという大前提を忘れてしまうと、言葉選びのミスが直接的な信用の毀損につながります。