内田裕也と樹木希林が40年別居でも離婚しなかった真実と壮絶な愛

内田裕也と樹木希林が40年別居でも離婚しなかった真実と壮絶な愛

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内田裕也さんと樹木希林さんが40年以上もの長期にわたり別居を続けながら、最後まで離婚を選ばなかった最大の動機は、希林さんが抱いていた「魂の引き受け手」としての覚悟にあります。世間一般が想像するような冷え切った仮面夫婦や、財産保全のための形式的婚姻とは本質が根本から異なっていました。

二人の関係を語る上で決定的な転換点となったのが、1981年に起きた「離婚届無効裁判」です。裕也さんは希林さんに一切相談することなく、独断で区役所に離婚届を提出しました。ハワイで休暇中だった希林さんは帰国後にこの事実を知り、即座に「離婚無効の確認」を求めて東京家庭裁判所へ提訴に踏み切ります。

「別居しているなら、そのまま離婚を受け入れても良かったのではないか」と周囲は訝しみました。しかし、希林さんは法廷で一歩も退かず、約3ヶ月後の判決で離婚は法的に無効と認められました。裁判後の記者会見で希林さんは、淡々とした口調で自らの信念を語っています。裕也さんを自由の身にしてしまえば、歯止めが利かなくなり、さらに多くの人々へ迷惑をかけるか自滅してしまう。自分が妻として籍を抱え続けることこそが、彼を社会につなぎとめる唯一の「重し」になるという判断でした。

同時に、希林さん自身の内面においても、裕也さんの存在は不可欠でした。後に希林さんは「あの人がいなかったら、私はもっと驕り高ぶり、つまらない人間になっていた」「裕也というトゲが刺さっているからこそ、自分を見失わずに生きてこられた」と述懐しています。他者が介入できない深い精神的依存と自戒の念が、法的な婚姻関係を死守させた根源にありました。

田中 結衣
著者

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。