歌詞に登場する「3つのめがね」には、単なる空想にとどまらない、昆虫学的なリアリティと時間軸の移ろいが巧みに重ね合わされています。
1番の「みずいろめがね」は、秋晴れの青空と同時に、池や小川のまわりを元気に飛び回るシオカラトンボを彷彿とさせます。白粉を吹いたような淡い青色の体と澄んだ複眼は、まさに秋の青空の色そのものです。
2番の「ピカピカめがね」は、真昼の太陽光を反射して金色に輝く瞬間を捉えています。これは緑や黄褐色に輝くギンヤンマやオニヤンマの複眼が、強い日差しを浴びてキラキラと輝く様子を想起させます。
そして3番の「あかいめがね」は、茜色に染まる夕暮れ時に乱舞するアキアカネ(赤とんぼ)の姿です。日没が近づくにつれて山裾が赤く染まり、群れをなして飛ぶ赤とんぼの身体と目が夕日に照らし出される光景は、日本の秋の原風景と言えます。昼前から夕暮れへと移り変わる一日の光のドラマが、3つの連に見事に凝縮されています。