川越氷川神社の名を全国区に押し上げた最大の要因が、毎朝わずか20体限定で授与される「縁結び玉」の存在です。身を清めた本殿前の白い玉砂利を巫女が一つひとつ丁寧に拾い集め、麻の網に包んで神職がお祓いをしたこの特別な御守は、「境内の玉砂利を持ち帰って大切にすると良縁に恵まれる」という古くからの言い伝えに由来しています。
川越氷川神社の縁結び玉の配布時間は毎朝午前8時00分です。しかし、午前8時に社務所へ行ってもすでに整理券の配布が終了しているケースが日常茶飯事となっています。現地取材および参拝者の証言によると、平日は午前6時30分から7時頃、大型連休や土日祝日には午前5時30分〜6時00分の到着が実質的な獲得ボーダーラインとなっています。社務所前には整理券を受け取るための待機列が形成され、番号札を受け取った参拝者のみが午前8時の授与式に臨むことができる仕組みです。
この玉を手に入れた後、晴れて生涯の伴侶とめぐり逢えた際には、二人で再び同社を訪れて玉を神社へお返しするのが習わしです。その際、玉と引き換えに特別なお守り「結い紐(ゆいひも)のもと」が授与され、二人の絆を生涯にわたって神前に繋ぎ止めるという美しい物語性が完結します。単なる願掛けにとどまらない「神様との約束の循環」こそが、多くの人々を惹きつける決定的な理由といえます。