牛鍋とすき焼きの最大の違いは、「誕生した地域」「肉の切り方」「初期の味付け構造」の3点に集約されます。
一般的に、牛鍋は幕末から明治初期の横浜で誕生した料理であり、獣肉特有の臭みを消すために味噌ベースのタレで角切りや厚切りの牛肉を煮込むスタイルが原形です。一方のすき焼きは、江戸時代の関西で農具の「鋤(すき)」の上で魚や鳥肉、牛肉を醤油や砂糖で焼きながら食べたことに端を発します。
現代では「割り下で牛肉と野菜を煮る関東風すき焼き」が広く普及したため境界線が曖昧に見えますが、ルーツを辿ると「港町のハイカラな煮込み鍋」と「上方の焼き肉料理」という全く別の出自を持っています。