亀井聖矢の演奏家としての歩みを振り返ると、日本クラシック界の歴史を塗り替える記録の連続であったことが分かります。愛知県立明和高等学校音楽科を経て進学した桐朋学園大学では、その卓越した才能により、創大学史上初となる「飛び級」での首席卒業(ソリスト・ディプロマ・コースおよびカレッジ・ディプロマ・コース修了)を果たしました。日本の保守的な音大教育システムにおいて、実力による飛び級が認められた事実は当時、関係者の間でも大きな驚きをもって受け止められました。
さらに世間を震撼させたのが、怒涛のコンクール受賞歴です。2019年、大学1年生にして国内最高峰の「日本音楽コンクール」ピアノ部門第1位および岩谷賞(聴衆賞)を受賞。同年、国内最大規模を誇る「ピティナ・ピアノコンペティション特級」でもグランプリを獲得し、同一年における二大コンクール制覇という史上初の快挙を達成しました。そして2022年、名門「ロン=ティボー国際音楽コンクール」にて第1位を獲得し、併せて聴衆賞・評論家賞を受賞したことで、その名は一夜にして国際的な舞台へと轟くこととなりました。