ネット上で定期的にトレンド入りする「運転免許証のマイナカード強制統合」という言説ですが、結論から申し上げればマイナ免許証義務化の真相は完全な誤解です。令和4年成立の警察庁道路交通法改正および現行法令において、国民にマイナ免許証の保有を強制する条文は一切存在しません。
警視庁および各都道府県警察の公式アナウンスでも明記されている通り、ドライバーには現在も以下の「3つの選択肢」が法的に完全に保障されています。
- ① マイナ免許証のみを保有:従来の免許証を返納し、マイナンバーカードのICチップ内に免許情報を記録して一本化する形態。
- ② 従来の運転免許証のみを保有:これまで通り、プラスチック製の物理免許証だけを更新・所持し続ける形態。
- ③ 両方を併用(2枚持ち):従来の免許証を携帯しつつ、マイナンバーカードにも免許情報を記録させておく形態。
では、義務でもない施策を国が莫大な予算を投じてまで推進する「決定的な理由」はどこにあるのでしょうか。警察庁関係者への取材や行政刷新会議の議事録を紐解くと、背景には年間数百億円規模にのぼる運転免許管理コストの圧縮と、マイナンバーカードを「国家インフラの絶対的基盤」として定着させたい政策的思惑が透けて見えます。
日本国内における運転免許保有者数は約8,100万人。全国の免許センターで日々繰り返される更新手続き、ICカードの物理的発行、膨大な紙書類の郵送や保管業務は、警察行政にとって極めて重い負担となっていました。これらをマイナンバー制度のネットワークへ相乗りさせ、自治体データと警察署データを直結させることで、行政事務の劇的な省力化を図ることが国家側の真の狙いです。