Q1:職場の健康診断で「ST上昇・要精密検査」と判定されました。緊急で病院に行くべきですか?
A1:胸痛や動悸、息切れ、失神などの自覚症状が現在ない場合、数分を争う救急搬送の対象ではありませんが、放置は禁物です。無症候性の心筋虚血やブルガダ症候群、心筋症の初期病変を鑑別するため、できるだけ1〜2週間以内に循環器内科を受診し、詳細な12誘導心電図や心エコー検査を受けてください。
Q2:ST上昇とST低下の違いは何ですか?
A2:ST上昇は心筋の全層にわたる深刻な血流障害(貫壁性虚血)や心膜の炎症を示すのに対し、ST低下は主に心臓の内側(心内膜下)に限局した虚血(不安定狭心症や非ST上昇型心筋梗塞:NSTEMI)や、心肥大に伴う負荷を示します。いずれも心臓の異常を反映する重要な所見であり、精密検査が必要です。
Q3:病院で行われる「トロポニン検査」とはどのようなものですか?
A3:心筋細胞が破壊された際に血液中へ漏出するタンパク質(心筋トロポニン)の濃度を測定する高精度の血液検査です。心電図のST上昇所見と併せて評価することで、実際に心筋の壊死が発生しているかどうかを極めて短時間で確実に診断できます。