霞が関の公用車運行の実態を取材した関係者の証言によると、ドライバーを取り巻く環境は決して平坦ではありません。ある大手運行管理会社の元ドライバーは、当時の実態を次のように告白しています。
「大臣や幹部の公務は直前で急なスケジュール変更が日常茶飯事です。次の会議まで15分しかない中で都心を横断しなければならない時、無線からは『急いでくれ』という強いプレッシャーがかかります。待機時間を含めると1日14時間を超える拘束になる日もあり、極度の緊張と疲労の狭間でハンドルを握り続けるプレッシャーは想像以上でした」
公の場で見せる公用車の威厳ある走りの裏には、分刻みの国政スケジュールと、超過密な運行管理規定の狭間で苦悩する現場ドライバーの生々しい実態が存在しています。事故を防ぐためには、運転手個人の過失追及にとどまらず、無理な移動計画を是正する運行スケジュールの構造改革が不可欠です。