凶行に至る前の奥本死刑囚は、周囲から「おとなしく真面目な青年」と見られていました。宮崎県内で生まれ育ち、高校卒業後は地元企業に就職。職場での勤務態度にも大きなトラブルは見られず、一見すると平穏な生活を送っているように映っていました。
しかし、その内面には幼少期から培われた自己主張の苦手さやストレス耐性の低さが潜んでいました。10代後半で交際を始めた妻との間に子どもを授かり、2009年に若くして結婚。妻の実家で義母と同居する形で新たな生活をスタートさせました。
事件当時の奥本章寛の家族構成は、本人、妻、長男、義母の4人暮らしでした。周囲からは順風満帆な若い家庭に見えていたものの、家庭内では若年での父親としての重圧、家計のやりくり、そして義母との関係性を巡る葛藤が徐々に蓄積していきました。