西郷輝彦さんの家族史を語る上で欠かせないのが、長女である辺見えみりさんとの関係性の変遷です。1981年の離婚当時、えみりさんはわずか4歳。母・辺見マリさんに引き取られたため、父の記憶がほとんどないまま成長しました。
思春期を迎えたえみりさんは、テレビの画面越しにしか見られない父に対して「なぜ自分たちを置いて出て行ったのか」という強い葛藤を抱えていたことを、後の著書やトーク番組で赤裸々に告白しています。
転機が訪れたのは、えみりさんが芸能界デビューを果たした後のことでした。関係者の計らいにより、都内のレストランで約10年ぶりの再会を果たします。当時の様子について、えみりさんは次のように振り返っています。
「最初はどんな顔をして会えばいいのか分からず緊張で震えていたが、扉を開けた瞬間に父が『えみり!』と涙を浮かべて抱きしめてくれた。その温もりを感じた瞬間、長年胸につかえていたわだかまりが自然と溶けていった」
以降、二人はドラマでの共演を果たすなど公私にわたって親密な親子関係を再構築。2022年に西郷さんが旅立った際も、えみりさんは公式SNSや取材に対して「私にとって最高にかっこいいお父さんでした」と深い追悼と感謝の念を捧げています。