こうした恐怖に抗うため、日本の建築工学は異次元の進化を遂げつつある。その筆頭が、ディープラーニングを活用した「予測型AIアクティブダンパー」の導入だ。従来の制震装置は、揺れが発生してからその力を打ち消すように重りを動かす受動的なシステムが主流だった。
しかし最新のシステムは、全国に張り巡らされた地震計ネットワークから瞬時に送られてくるP波・S波のデータをミリ秒単位で解析し、揺れが建物に到達する前に重りの稼働ルートとスピードを最適化する。ビル自体のしなりをリアルタイムで相殺することで、水平方向の振幅を従来比で最大70%削減することに成功した。大手ゼネコンの技術開発担当者は「揺れに耐える時代から、揺れを能動的にキャンセルする時代へと完全にシフトした」と胸を張る。