ふたりの絆が公の形で大きな果実を結んだのが、2016年にリリースされた宇多田ヒカルの復帰アルバム『Fantôme』収録のコラボレーション曲『二時間だけのバカンス』だ。宇宙空間を舞台にした美しいMVとともに、この楽曲は多くの音楽ファンに衝撃を与えた。
ロンドンと日本。地理的な距離を抱えながらも、宇多田からの直接のオファーに椎名林檎は即答した。「彼女が本気で復帰し、歌おうとしているなら何でもする」。そんな決意で制作に臨んだという。日常の重圧から離れ、わずかな自由を愛おしむ女性の心理を描いた歌詞には、若い頃から巨大な名声とプレッシャーを背負い続けてきたふたりだからこそ分かち合える、切実なエモーショナルが宿っている。