かつては「卒業証書を見せれば納得された」「自己申告で事足りた」時代もあった。だが、採用の現場は大きく変貌した。背景にあるのは、求職者のデジタルフットプリント(ネット上の痕跡)を詳細に分析する技術の普及と、企業の危機管理意識の劇的な高まりだ。
特に人材・採用業界において導入が進んだのが、高度なデジタル照合技術とAIを活用したバックグラウンド分析である。中途採用や役員登用時に実施されるバックグラウンドチェックは、今や外資系企業だけでなく国内の上場企業やベンチャー企業にまで広く拡大した。本人が提出した職務経歴書や学歴の記載データは、国内外の大学・機関が提供する認証データベースや第三者調査機関のネットワークと突き合わされる。隠していた退学歴や在中期間の矛盾は、スクリーニングの過程で即座に浮かび上がってくる仕組みだ。