一般の三角形で面積を求めるためには「底辺」と「高さ」の2つの独立した数値が必要です。しかし正三角形においては、一辺の長さから面積を求めることが完全に可能です。この理由は、正三角形が持つ「3つの辺の長さが等しく、3つの内角がすべて60度である」という極めて高い対称性にあります。
正三角形の頂点から対辺に向かって垂線を下ろすと、底辺は正確に2等分され、頂角は30度ずつに分かれます。その結果、内部に現れるのは内角が「$30^\circ$・$60^\circ$・$90^\circ$」の直角三角形です。この特別な直角三角形の3辺の比は、数学的に常に $1 : 2 : \sqrt{3}$ で固定されています。
つまり、一辺の長さ $a$ が決まった瞬間、底辺の半分は $\frac{a}{2}$、そして高さは自動的に $\frac{\sqrt{3}}{2}a$ に決定されます。「高さ」が一辺の長さ $a$ の従属変数であるため、独立した別の情報として高さを測定・計測する必要が原理的になくなるわけです。