なぜ、銀座の真ん中でこの低価格を維持できるのか。その根底には、創業者である正垣泰彦氏が築き上げた「おいしい料理を誰もが楽しめる価格で提供する」という揺るぎない経営哲学がある。食材の生産から加工、物流、店舗オペレーションに至るまでを一気通貫で自社管理するSPA(製造小売)モデルの徹底は、外食業界の教科書と言っても過言ではない。
現在、代表取締役社長を務める松谷秀治氏のもと、株式会社サイゼリヤは徹底した効率化と品質向上の両立を推し進めている。徹底した作業動線の見直しやセルフレジの導入といったデジタル化の推進は、単なるコストカットにとどまらない。浮いたリソースを食材のクオリティ向上と価格据え置きに還元する。この合理的な循環があるからこそ、インフレが進む市場環境下でも圧倒的な競争力を維持できているのだ。