施設内に一歩足を踏み入れると、原作者J・K・ローリングが紡いだ言葉の森が、驚くべき解像度で物質化されている現実に息をのむ。手書きのプロットから始まった壮大な構想が、いかにして映画という視覚芸術へ昇華されたのか。その道程が惜しげもなく開示されている。
主演のダニエル・ラドクリフが実際に着用したサイズの異なる衣装の変遷を目の当たりにすると、ひとりの少年が役と共に成長していった時間の重みが痛いほど伝わってくる。グリフィンドールの談話室に置かれた擦り切れたソファ、使い込まれた小道具の一つひとつに、キャストと制作陣が注ぎ込んだ情熱が今も宿っている。