ドランクドラゴンの関係性を語る上で避けて通れないのが、芸人界でも有名な「ギャラ折半」の歴史とその終了劇です。コンビ結成初期から売れっ子になる過程において、人力舎の伝統や二人の取り決めにより、どちらが単独で仕事をして得た報酬もすべて半分ずつ分けるシステムが長年採用されていました。
塚地が映画『間宮兄弟』で日本アカデミー賞新人俳優賞やブルーリボン賞新人賞を受賞し、役者としてのオファーが殺到した時期も、その高額な出演料は鈴木と等分されていました。何もしなくても塚地のハードワークによって高収入が入ってくる状況に、鈴木自身もバラエティ番組で「働かずに金が入ってくる」と自虐ネタとして披露し、笑いを取っていたほどです。
しかし、このシステムは塚地の心身の消耗とともに限界を迎えます。「いくら自分が身を削ってドラマの現場に通っても、半分が相方へ渡る」という構造は、どれほど温厚な塚地であっても健全なモチベーションを削ぐ要因になり得ました。最終的に、事務所やマネージャーを交えた話し合いの末、ギャラ折半は円満に終了し、完全歩合制へと移行しました。
一部で「ギャラを巡る金銭トラブルで絶縁した」と曲解されましたが、事実は真逆です。歪な共依存関係を解消し、互いを経済的に自立したプロとして認めるための極めて建設的な「境界線引き(バウンダリー設定)」でした。