世間一般では、「ネットで悪質な書き込みをするのは、社会から孤立した一部の特異な人物だろう」と考えられがちです。しかし、警察によって摘発された19名の加害者の素性が明らかになったとき、人々は戦慄することになりました。
摘発された面々は、ごく普通の日常生活を送る一般市民ばかりでした。会社員、公務員、専業主婦、大学職員、医療従事者など、17歳から47歳までの男女です。逮捕者たちの多くは取調べに対し、次のように供述しました。
「みんなが書いているから本当だと思った」「極悪非道な犯罪者がテレビで笑っているのが許せなかった」「正義感から天誅を下すつもりで書き込んだ」。
彼らは悪意のモンスターではなく、「凶悪犯を懲らしめる自分は正しい」という身勝手な正義感に酔いしれていたのです。事実確認を一切行わず、ネット上に漂う不確かな情報を鵜呑みにし、自らの鬱屈したストレスを「義憤」という免罪符で晴らしていた実態が浮き彫りとなりました。誰もが知らぬ間に加害者へと転落し得るという事実は、現代のSNS社会においても極めて重い教訓を突きつけています。