こうした言葉の魅力は、地域を支える観光業の現場でも大きな武器となっている。ニセコや富良野、札幌などを訪れる国内外の旅行者に対し、地元のホテルや飲食店、ツアーガイドが見せる言葉遣いには、押し付けがましさのない自然な温もりがある。「なまら美味い」「めんこい」といった親しみやすいフレーズをワンポイントで織り交ぜる接客は、旅行者に旅情を感じさせる最高のおもてなしとなっている。
また、TikTokやYouTube、XといったSNS上では、地元のクリエイターが「標準語だと思っていた北海道弁」をコミカルに紹介する動画が大ヒットを記録している。デジタル時代を迎えた今、若い世代は自分たちの言葉を隠すどころか、独自のコンテンツとしてグローバルに発信し始めた。かつて標準語への統一が進められた時代を経て、現在では地域のアイデンティティを象徴する価値ある資産として、方言の再評価が急速に進んでいる。