政治の主導権を握る石破茂首相は、成長と分配の好循環を確実なものにするため、労働供給の阻害要因となっている税制の見直しを最重要課題の一つに掲げた。少子高齢化に伴う労働力不足が全国的な悲鳴を上げるなか、働きたい人が躊躇なく働ける社会構造の構築は、政権の存亡をかけた急務である。
一方で、国の財政健全化を担う財務省は、税収の減少に対する懸念を根強く抱いている。税制改正によって生じる財源の穴をどのように穴埋めし、社会保障制度の持続可能性を保つのか。石破茂首相と財務省、そして野党勢力との間で繰り広げられる激しい水面下の折衝が、改正の具体的な数値や適用時期を左右する決定的な因子となっている。