シェリーの数奇な運命を語るうえで、製薬企業アンブレラ社の存在と、その幹部研究員であった父ウィリアム・バーキンの狂気は避けて通れない。彼女は幼少期、温かな家庭の温もりを知る間もなく、親たちが開発に狂奔した悪夢のウイルス「G-ウイルス」の実験場へと放り込まれた。
リメイク作『バイオハザード RE:2』でも鮮烈に描かれた通り、理性を失い怪物と化した父に追い詰められる恐怖は、幼い子どもの精神を粉々にするのに十分すぎるものだった。それでも彼女は生き延びた。絶望的な地下研究所を駆け抜け、自らに胚を植え付けられながらも奇跡的に生還を果たしたあの日から、彼女の「普通の人間に戻れない人生」が決定づけられたのである。