声優としての華々しいキャリアの先で、彼女が選んだ次なる戦場はミュージカルの舞台だった。『レ・ミゼラブル』のエポニーヌ役に抜擢された際、一部からは疑念の目も向けられたが、彼女はそれを実力で完全にねじ伏せた。アフレコブースという極小の空間で培った「声だけで空間を制圧する技術」を、身体全体を使う舞台表現へと見事に昇華させたのだ。
ブロードウェイの舞台演出家たちとも渡り合い、クラシックな歌唱法からベルティングまで自在に操るシンガーへと進化した彼女の身体表現。その鍛錬の成果は、再びアニメの現場に戻ってきた際にも、一言発しただけでキャラクターの背負う歴史を想起させるほどの重みとなって還元されている。