角層の細胞間脂質の約50%を占める主成分が「セラミド」です。水分を抱え込んで層状のラメラ構造を形成し、強固なバリアとなって外部刺激を跳ね返す役割を担っています。近頃のリップ市場でセラミドに着目した処方が脚光を浴びている理由は、まさにこのバリア機能のダイレクトな修復にあります。
ひとくちにセラミドリップといっても、配合される原料によって特性が異なります。配合成分表を見極めるポイントを押さえておきましょう。
最も親和性が高くパワフルな保湿力を誇るのが、酵母などを利用して人間の生体構造と同一に作られたヒト型セラミド(セラミドNP、セラミドAP、セラミドEOPなど)です。角層へのなじみが極めてスムーズで、少量でも高い保水力を発揮します。一方、花王のキュレルなどに代表される疑似セラミド(セチルPGヒドロキシエチルパルミタミドなど)は、ヒト型セラミドの機能を模倣した合成成分で、安定性が高く低刺激、かつ手頃な価格帯で高濃度配合できる点が大きな強みです。
油分による単なるコーティングを越え、角層の隙間を埋めて水分の蒸散を遮断するセラミドは、皮剥けを繰り返すデリケートな唇にとって最も頼もしい補修パートナーといえます。