「車に轢かれた猫の妖怪」というブラックユーモアを孕んだ出自を持ちながら、現実の自動車業界と本格的なタッグを組んだ事例は、日本の広告史においても極めて異例です。その代表格が、ファミリー層から絶大な支持を集めた妖怪ウォッチ 日産セレナ コラボ企画でした。
日産自動車は当時、主力ミニバン「セレナ」をベースにした公式キャンペーンを展開。車体全体にジバニャンやコマさんをあしらった妖怪ウォッチ ラッピングカーが全国のディーラーを巡回しただけでなく、フロントマスクにジバニャンの顔を立体造形し、耳やシッポまで再現した「ジバニャンカー 実物大」が制作され、モーターショーや各種イベントで大きな話題を呼びました。
「車に撥ねられたキャラクターが車のアンバサダーを務める」という大胆なプロモーションは、自虐的なフックと圧倒的なキャッチーさで親世代の心を掴み、週末のショールーム来場者数を大幅に押し上げる成功を収めました。