藤あや子さんが24歳もの年の差婚に踏み切った背景を読み解くには、彼女が背負ってきた壮絶な結婚歴と人生の歩みを知る必要があります。華やかな演歌界のスターという表舞台の顔の裏で、彼女は筆舌に尽くしがたい別れと悲哀を経験してきました。
藤さんは高校卒業後の1981年、20歳の時に地元・秋田で2歳年上の男性と最初の結婚を果たし、長女を出産しました。しかし、価値観の相違などからわずか1年で離婚。シングルマザーとして娘を育てる道を選びます。ところが、その元夫との経緯にはあまりに重い悲劇が待っていました。離婚から数年後の1987年、元夫が自ら命を絶つという痛ましい知らせを受け取ることになります。
さらに悲劇は続きます。歌手として上京し、1992年に「こころ酒」が大ヒットを記録してスターダムへ駆け上がる渦中、公私にわたり彼女を支えていた担当レコード会社ディレクターとの不倫愛が発覚。その後、関係を清算する過程で、その男性もまた自ら命を絶つという衝撃的な事件に見舞われました。最愛の人たちを相次いで喪失したトラウマは計り知れず、当時のワイドショーやマスコミの過熱取材により、藤さんは心身ともに深い傷を負うこととなりました。
「自分はもう誰も愛してはいけないのではないか」「人を不幸にしてしまうのではないか」——長年そうした自責の念に苛まれてきた藤さんにとって、約35年ぶりの再婚は、過去の重い呪縛を解き放ち、自らの手で本当の安らぎを掴み取るための命懸けの決断だったのです。