飲酒によって体内から水分が急激に奪われる理由は、主に2つの代謝メカニズムに起因しています。
第1に、アルコールの強力な利尿作用です。脳の視床下部から分泌される「バソプレシン(抗利尿ホルモン)」は、腎臓で尿から水分を再吸収させて体内の水分バランスを保つ役割を担っています。しかし、アルコールはこのバソプレシンの分泌を強力に抑制します。その結果、腎臓での水分再吸収がストップし、飲んだ水分以上の尿が過剰に排出されてしまいます。
第2に、肝臓におけるアルコール分解時の水分消費です。体内に入ったアルコール(エタノール)は、肝臓でアセトアルデヒドを経て酢酸、最終的に二酸化炭素と水へと分解されます。この代謝プロセスにおいて大量の水分子が化学反応に消費されるため、細胞内の水分が枯渇していきます。
客観的な研究データによると、ビール1缶(約350ml)を摂取すると、摂取水分の1.2〜1.5倍(約420〜525ml)が尿として排出されることが判明しています。飲むほどにマイナス収支が積み重なる構造は以下の比較表の通りです。