だるまに目を入れる際、最も混同しやすいのが「左右の視点」です。結論から言うと、一般的な願掛けでは「だるま自身の左目(自分から見て右側の目)」から墨を入れます。
日本を代表する生産地である群馬県の「高崎だるま」をはじめ、全国の寺社で推奨されている標準的な手順は以下の通りです。
- 願い事をするとき(開眼):向かって右側(だるまの左目)に黒目を描き入れる。
- 願いが叶ったとき(満願):向かって左側(だるまの右目)に黒目を描き入れ、両目を揃える。
なぜ左目からなのかという理由には、古代中国から伝わる「左上右下(左を上位、右を下位とする)」の礼法や陰陽思想が深く関わっています。東から太陽が昇る方角(陽=左)から物事を始め、西に沈む方角(陰=右)で完結させるという自然の運行に倣ったものです。
一部で囁かれる「左右を間違えるとご利益が半減する」という噂について、寺社の住職や民俗学の専門家は「順番を誤ったからといって神仏の罰が当たるようなことはない」と否定しています。何より重要なのは、目標に対して誓いを立てる真摯な気持ちです。