2019年9月、がん手術を乗り越えた宮本亜門は、活動名義を従来の「亜門」から旧字体を用いた「亞門」へ改名することを発表しました。このニュースは広く報じられましたが、単なる画数判断や話題作りではありません。
元々、彼の戸籍上の本名は「亞門」でした。父が「アジア(亞)の門を開く人間になってほしい」という願いを込めて名付けた名前でしたが、若き日にデビューする際、親しみやすさを考慮して当用漢字の「亜」を使用していました。しかし、がんに直面し「いつ人生が終わるか分からない」というリアルな命の有限性を突きつけられた際、彼の中で決定的な意識変革が生じました。
「飾り立てた自分を脱ぎ捨て、親からもらった最初の名前に戻り、まっさらな覚悟で残りの人生を全うしたい」。この決意こそが改名の真相です。心理学における「アイデンティティの再統合」のプロセスとも言え、過去の成功や挫折、病の苦しみさえもすべてありのままの自己として受け入れる境地に至ったことを象徴しています。