かつてサイバーパンク小説やSF・近未来テクノロジーの映像作品で描かれていた「電脳空間の感触」は、もはや空想ではない。この進化を支えているのは、物理工学と神経科学を融合させた次世代のハプティクス(触覚技術)だ。
従来の振動モーター(リニアバイブレータ)は、単なる「震え」の強弱しか表現できなかった。対して本システムは、指先のパチニ小体やマイスナー小体といった異なる触覚受容器へ個別に周波数を割り振る。ツルツル、ザラザラ、ネバネバといった触覚の構成要素を波形として分解・合成するプロセスは、音響におけるシンセサイザーの発明に極めて近い。