兵庫県立歴史博物館を語る上で欠かせないのが、日本を代表する建築界の巨匠・丹下健三氏による卓越した建築設計です。1983年に竣工した本館は、国宝・姫路城の威容を損なうことなく、いかに現代建築を調和させるかという難度の高いテーマに挑んだ記念碑的建造物です。
最大の特徴は、建物の南側に配置された巨大なハーフミラーガラスのカーテンウォールです。青空と姫路城の白壁がガラスの表面に美しく映り込む仕掛けとなっており、時間帯や天候によって刻一刻と表情を変える借景の美は圧巻の一言に尽きます。コンクリートの打放しとアルミパネルの幾何学的なグリッドパターンは、城郭の石垣や瓦屋根のリズムと見事な呼応を見せています。
館内中央の吹き抜けロビーに立つと、計算され尽くした自然光が差し込み、厳かな静寂とモダンな温もりが同居する特別な空間体験を味わえます。建築写真の撮影スポットとしても高い人気を誇り、展示鑑賞のみならず、丹下健三が手掛けた建築美そのものを目的に訪れる価値が十分にあります。