料理の現場で多くの人を悩ませるのが、ccとmlの違いと理由です。昔ながらの料理本では「水300cc」と書かれている一方、現代のレシピサイトや市販の計量スプーンには「300ml」と表記されているケースが目立ちます。「ccとmlは何か成分や重さが違うのか?」と疑問を抱く方もいますが、結論として体積の量自体は全く同じ(1cc = 1ml)です。
では、なぜ2つの単位が存在し、現在mlへと統一される流れにあるのでしょうか。そこには国際規格と計量行政の厳格な変遷があります。
語源と成り立ちの違い
「cc」は英語の cubic centimetre(立方センチメートル=cm³) の頭文字を並べた略称です。つまり、縦1cm×横1cm×高さ1cmの立方体の体積を指しています。工学分野や医療分野、自動車のエンジン排気量(例:250cc)などで長年親しまれてきました。
一方の「ml」は、国際度量衡局(BIPM)が定める国際単位系(SI)に準拠した体積の単位です。リットル(L)を基準に、先述した千分の1を表す「m(ミリ)」を冠して構成されています。
公的表記から「cc」が消えつつある事情
経済産業省が管轄する日本の計量法では、取引や証明において使用すべき単位が定められており、体積については「立方メートル」や「リットル(ミリリットル)」が正式な法定計量単位として指定されています。ccは国際的な公式単位記号ではないため、製品パッケージや公的文書からは段階的に排除されてきました。
さらに、医療事故防止の観点も大きな要因です。カルテの手書き文字において、「cc」という走り書きが数字の「00」に見間違えられ、薬剤を100倍誤投与する危険性が指摘されたため、日本病院薬剤師会などの医療機関・団体でも「ml」への表記一本化が徹底されました。料理の世界でも、誤解を防ぎ国際表記と足並みを揃える目的から、現在は「ml」が標準として定着しています。