結論から客観的な事実を申し上げると、サプリメントを摂取したからといって、「全身の皮膚や汗腺から香水のように甘い匂いが立ち上る」という現象は医学的・生理学的に極めて限定的です。現在、市場で「飲む香水」「フレグランスサプリ」として流通している製品の多くは、ブルガリア産ダマスクローズから抽出された精油(ゲラニオール、シトロネロール)や、若い女性特有の甘い香り成分として知られる「ラクトン」を配合しています。
これらの香気成分は脂溶性であるため、胃腸で吸収された後に血液に乗って全身を巡り、ごく微量が肺を通って呼気(息)として排出されたり、皮脂腺や汗腺からわずかに揮発したりすることは研究で確認されています。しかし、その分泌量は極めて微弱です。第三者が「あ、この人からバラのいい匂いがする」と明確に感知できる大半の経路は、皮膚からではなく胃から上がってくる吐息(口臭)によるものです。
特にネット上で過大な期待を持たれがちな「ラクトンサプリ女性の甘い香り」訴求ですが、加齢とともに減少するラクトン(C10/C11)を経口摂取しても、10代の頃のように全身の体臭が自然とピーチやココナッツの香りに置き換わるわけではありません。「飲むフレグランス人気おすすめ」として紹介されているアイテムの真の機能は、悪臭を消し去る魔法の杖ではなく、あくまで「息をリフレッシュし、至近距離での会話時にほのかな芳香を漂わせる」エチケットツールなのです。