売上原価対立法と三分法の違いは?仕訳と決算整理の真相を徹底解説

売上原価対立法と三分法の違いは?仕訳と決算整理の真相を徹底解説

売上原価対立法と三分法の違いは?仕訳と決算整理の真相を徹底解説とはどんな影響があるのか? 主要なファクトを整理してお届けします。

受験生向けブログやQ&Aサイトで頻繁に見かける最大の誤解が、「売上原価対立法を採用すれば、期末商品棚卸高の計算に伴う決算整理仕訳は一切不要になる」という言説です。これは制度会計の観点から明確に誤りです。

確かに、三分法でおなじみの「(借)仕入 (貸)繰越商品」「(借)繰越商品 (貸)仕入」という、売上原価を算定するための振替仕訳は行いません。しかし、実務や簿記2級の応用問題では、帳簿上の数字と倉庫の実態が乖離する「棚卸減耗損」や、時価下落に伴う「商品評価損」の計上が不可欠です。

期末の実地棚卸によって、帳簿棚卸数量と実地棚卸数量に差が生じていた場合、以下の決算整理仕訳が求められます。

(借方)棚卸減耗損 ××× / (貸方)商 品 ×××
(借方)商品評価損 ××× / (貸方)商 品 ×××

さらに注意を要するのは、これらの棚卸減耗損や商品評価損を「売上原価の内訳に含める」指示が問題文にある場合です。その場合、棚卸減耗損勘定や商品評価損勘定を経由せず、あるいは事後的に以下の振替仕訳を要求されるケースがあります。

(借方)売上原価 ××× / (貸方)商 品 ×××(※減耗や評価損の直接付加)

「日常仕訳で原価を計上しているから決算整理はゼロで済む」と盲信していると、実地棚卸との差額処理で足元をすくわれることになります。帳簿残高を実態の純額まで削り落とす作業は、どの記帳法を選ぼうとも回避できない会計の鉄則です。

石川 優花
著者

石川 優花

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。