客観的な魅力と熱狂的なファンを抱えながら、なぜ「不人気」というレッテルを貼られる事態に陥ったのか。そこにはたまごっちシリーズの歴史が生み出した、3つの構造的な盲点が存在します。
第一の要因は、新世代美少女キャラクターの連続投入によるポジション競合です。
2009年のアニメ展開本格化に伴い、アイドルキャラの「ラブリっち(声:真堂圭)」やバイオリニストの「メロディっち(声:三瓶由布子)」など、より直接的に「王道かわいい」を体現した新キャラクターが続々とメインキャストに抜擢されました。これにより、初期にめめっちが一手に引き受けていた「女性向け・ヒロイン枠」が細分化され、公式のグッズ展開や露出面で割を食う形になったことは否めません。
第二の要因は、ゲーム内における「育成難易度」と進化条件の仕様です。
携帯液晶トイにおけるめめっちは、初期作品において「お世話ミスを適度にしつつ、特定のおしゃれパラメータを上げる」といった独特の育成ルートを要求されることが多くありました。最高ランクのケアで到達する「まめっち」に比べ、狙って育成するのがやや難しかったり、逆に適当に育てて偶発的に誕生したりしたため、ライトユーザーの間で「狙って出すキャラではない」という認識が広まった時期がありました。
第三の要因は、「目力が強すぎる」という初見の好悪ギャップです。
くちぱっちのようなシンプルで記号化されたデザインに比べ、めめっちの大きなぐるぐる目は強烈なフックを持っています。幼少期に「少し目が怖い」と感じた層が一定数存在し、そうした子供時代の第一印象が、大人になってからの「めめっちってそんなに人気あったっけ?」という曖昧なネットの書き込みへと変換されていった側面があります。