惜しまれつつ暖簾を下ろした同店ですが、営業当時は昼時になると駐車場が満車になるほどの活況を呈していました。利用者を惹きつけて離さなかった麺や小福 六兵衛食堂のメニュー展開には、専門店と大衆食堂の長所を融合させた明確な強みがありました。
麺類における筆頭格は、店名を冠した「小福醤油ラーメン」です。節系を中心とした魚介ダシの芳醇な香りと、動物系のコクを絶妙なバランスで合わせたスープは、口当たりがまろやかでありながら後味に深いキレを残す仕立てでした。醤油味の構成を2種類用意するなど、ラーメン王国・山形の舌の肥えた客を飽きさせない工夫が凝らされていた点も特筆されます。
さらに、熱狂的なファンを生み出した麺や小福 六兵衛食堂のおすすめラーメンが「オロチョンラーメン」です。味噌や特製スパイスをベースにしたピリ辛スープに、炒めた具材の旨味が溶け込み、冬の寒さが厳しい山形の気候に完璧に合致した一杯として重宝されました。辛さの中に宿る確かな旨味は、一度食べるとクセになる中毒性を誇っていました。
加えて見逃せないのが定食類の充実度です。特に名物となっていた「鶏の唐揚げ定食」は、拳大のジューシーな唐揚げが皿いっぱいに盛られ、圧倒的なコストパフォーマンスを誇りました。ラーメンだけでなく、餃子や揚げ物を組み合わせたガッツリ系のランチを求める層の胃袋を完全に掴んでいたのです。