高校サッカーの応援歌といえば、一般的には「夢は叶う」「勝利を目指せ」といった前向きで力強いエールを前面に押し出した楽曲が主流でした。しかし、作詞・作曲を手がけた大森元貴が『僕のこと』に込めた視座は、それらとは一線を画しています。
トーナメント戦において、優勝の栄冠を手にするのは参加校の中でたったの1校だけ。残る何千ものチームは、どこかの過程で必ず「負け」を経験します。大森元貴はこの厳然たる事実に真っ向から向き合い、「勝者だけを称えるのではなく、敗れ去った多くの人々が費やしてきた日々の価値を証明したい」という強い信念のもとでペンを執りました。
青春の儚さと残酷さ、そしてその中で流した汗や涙の尊さ。綺麗事だけで終わらせないリアリズムこそが、この楽曲の根底に流れる制作動機です。