初期のコミカルなギャグ路線から一転、なぜつの丸氏はこれほどまでにシビアで胸に迫るドラマを描き切ったのでしょうか。
つの丸氏は実際の競馬現場へ熱心に取材を重ねるなかで、サラブレッドという生き物の美しさと同時に、「故障や引退、死と隣り合わせにある過酷な現実」に深い敬意と衝撃を受けたと語っています。単なるご都合主義のスーパーホースではなく、痛みを抱え、挫折を味わいながらも命を削って走る姿を描くことこそが、競走馬に対する最大の誠意であったといえます。
ギャグキャラクターの見た目をしていながら、誰よりもリアルな競馬の熱狂と哀哀を体現したマキバオー。作者が魂を込めて紡ぎ出した最終回だからこそ、四半世紀以上の歳月が流れた今なお、スポーツ漫画の金字塔として輝き続けています。