なぜ、これほどまでに伝統的な呑んべえの街へワインが浸透したのか。その背景には、天満という街が持つ圧倒的な包容力がある。安くて美味いものを貪欲に追求する大阪の食文化において、近年ブームを超えて完全に定着したナチュラルワイン(自然派ワイン)は、極めて親和性が高かった。
酸化防止剤を極力抑え、葡萄本来の旨味や出汁のようなじわっとした味わいを持つナチュールは、出汁文化を中心とする関西の料理と相性が抜群だ。従来の「格式高い洋食と合わせるワイン」という固定観念を打ち破り、お好み焼きやホルモン焼き、割烹仕込みの小鉢と一緒に楽しむスタイルが、若い造り手や店主たちの手によって一気に開花した。