一般認識と法規範の間には、無視できないギャップが存在します。民法770条1項1号に定められた離婚事由である「不貞行為」は、原則として配偶者以外の異性と自由な意思に基づいて肉体関係(性交またはそれに類する行為)を持つことと定義されています。
そのため、心理的には完全に恋人同然であっても、手を繋ぐ・食事をする・メッセージで愛を囁き合うだけでは、直ちに法的な不貞行為と認められない判例が多数を占めます。しかし、これは「法的責任がないから許される」という意味ではありません。
【プロの結論】心理的バウンダリーを守るための判断基準
人間関係において健全さを保つためには、法的なセーフラインではなく「相手に対する誠実さ」を基準に境界線を引く必要があります。以下の基準を自問自答することが、後悔を防ぐ指針となります。
- 進むべき人(越境がポジティブに働く場合):
- 互いに独身であり、交際への移行を前提とした真剣な好意が存在する
- 関係性が変わるリスクを受け入れ、言葉で責任ある意思疎通ができる
- 踏みとどまるべき人(越境を絶対に避けるべき場合):
- どちらか一方でも既婚者である、または交際相手がいる
- 職場の利害関係(上司と部下など)があり、関係破綻時のキャリアリスクが大きい
- 「寂しさを埋めたい」「お酒の勢い」など一時的な衝動に過ぎない