この街の深い傷痕を長年追い続けてきたノンフィクション作家の安田浩一氏は、メディアの姿勢に対して厳しい言葉を投げかける。既存の報道・ジャーナリズムは、西成を単なる「危ない街」「特殊なエリア」としてセンセーショナルに消費してきたのではないか、と。
安田氏は言う。「暴動が起きたという事実だけを切り取り、なぜ男たちが怒りを爆発させざるを得なかったのかという構造には触れようとしなかった。それこそがメディアの敗北である」と。表面的な犯罪報道の裏で捨て去られてきた労働者個人の人間ドラマや切実な叫びに耳を傾けない限り、この街の真の姿を描き出すことはできない。