笠井アナが患った「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫」は、リンパ系組織に発生する悪性腫瘍の中でも進行が速い一方、化学療法が効きやすい特徴を持ちます。治療は標準治療であるR-CHOP療法をベースに、複数種類の抗がん剤を組み合わせた強力なプロトコルが組まれました。
2019年末から開始された入院治療では、抗がん剤を投与するためのPICC(末梢挿入型中心静脈カテーテル)を腕に通し、500時間に及ぶ連続点滴を実施。さらに、がん細胞の脳中枢神経への浸潤を防ぐため、背中から骨髄液を抜いて抗がん剤を直接注入する腰椎穿刺(髄注)という激痛を伴う処置も重ねられました。
2020年初頭は、折しも新型コロナウイルスの感染拡大が始まった時期でした。免疫力が極度に低下した笠井アナは、完全面会謝絶のクリーンルームで過酷な副作用(激しい倦怠感、激痛、口内炎、全身の脱毛、手足のしびれ)と対峙することになります。孤独な隔離生活の中で、笠井アナの精神的な生命線となったのが、スマートフォンのカメラを通じて病状や心境をありのままに綴るブログの更新でした。
こうした壮絶な治療が功を奏し、2020年4月末に無事退院。そして同年6月上旬、PET-CT検査の結果、体内のすべての腫瘍反応が消失したことを示す「完全寛解(Complete Remission)」の診断が下されました。宣告からわずか半年余りでの劇的な回復劇は、多くの患者や医療関係者に大きな勇気を与えました。