大谷選手の肉体を語る上で外せないのが、並外れた筋力数値と洗練された筋トレメニューです。報道や関係者の証言によると、大谷選手はトラップバー・デッドリフトで225kg(約500ポンド)以上の重量を軽々と挙上する怪力を誇ります。一般的なプロ野球選手の平均を遥かに上回るこの後面積筋(ハムストリングス、臀筋群、脊柱起立筋)のパワーこそが、打席での爆発的な打球初速とマウンドでの推進力の源泉です。
しかし、大谷選手のトレーニングの本質は「単に重いバーベルを持ち上げること」ではありません。専属トレーナーやシアトルの最先端トレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」などで導入されている動作解析に基づき、キネティックチェーン(運動連鎖)を一切途切れさせない種目が厳選されています。
上半身の強化においては、一般的なベンチプレスだけでなく、ダンベルを用いた片腕ずつのインクラインプレスやランドマイン・プレス、懸垂(チンニング)を重視。これにより、たくましい腕の太さ(推定45cm以上)と盛り上がった大胸筋を獲得しながらも、投球やバッティングに必要な肩甲骨の自由度を極限まで保っています。
さらに、メディシンボールを用いた回旋系トレーニングや、プライオメトリクス(瞬発力強化種目)を複合的に組み合わせることで、「重い筋肉」を「一瞬で最大の力を発揮する筋肉」へと変換させています。重量を追う日とスピードを追う日を厳密に分けるピリオダイゼーション(期分け)が、160km/h超の豪速球と500フィート級の本塁打を生む肉体を支えているのです。