生徒や保護者側の不満の一方で、農泊や体験学習の受け入れ先が漏らす本音もまた深刻です。地域の過疎化と高齢化が進む中、生徒を受け入れるホストファミリーの平均年齢は年々上昇しており、体力的・精神的な負担は限界に近づいています。
農家関係者へのヒアリング取材では、現場の生々しい実情が語られています。
「昔のように『何でも喜んで食べる』生徒ばかりではありません。特に食物アレルギーへの厳格な対応や、好き嫌いに対する個別調理のプレッシャーは想像以上です。夜中に生徒が体調を崩した際の責任問題や、万が一の事故を考えると、謝礼金に見合わない重圧を感じている家庭が多いのが現実です」(東北地方・農泊受け入れ協議会関係者)
実際に、過去に多くの学校を受け入れていた自治体の中には、修学旅行における民泊の受け入れ廃止を決定した地域も存在します。その背景には、受け入れ農家の高齢化による担い手不足に加え、一部の生徒によるマナー違反、民泊マッチング団体へのマージンに対する報酬額の低さ(1泊あたり実質数千円程度の手取り)、そして事故発生時の補償リスクなどが複雑に絡み合っています。