アイリッシュウルフハウンドを語る上で、まず避けて通れないのがその圧倒的なスケール感です。ジャパンケネルクラブ(JKC)の犬種標準(スタンダード)において、オスの理想体高は81〜86cm、下限値でも79cmと定められており、グレートデーンと並び世界最高峰の高さを誇ります。体重に関してもオスで54kg以上、メスでも40kg以上が標準であり、大型個体では70kgに達することも珍しくありません。
後ろ足で直立した際の全長は容易に2メートルを突破し、成人の頭上から悠然と視線を投げかけてくるサイズ感は、初めて目にする者を例外なく圧倒します。サイトハウンド(視覚ハウンド)特有の深い胸郭と引き締まった腰回り、硬く荒い針金状の被毛(ワイヤーヘア)を持ち、無駄のない筋肉美は走るための機能美そのものです。
過去には「世界一背の高い犬」としてギネス世界記録の歴代ランキングに名を連ねる個体も複数存在します。アメリカで記録されたアイリッシュウルフハウンドの中には、背中までの高さが100cmを超え、尾の長さだけで70cm以上に達した事例も公式に記録されています。日常の風景の中に彼らが一頭入るだけで、室内の家具の縮尺が狂って見えるほどのインパクトを持ちます。