近江谷太朗の原点を語る上で外せないのが、1980年代後半から1990年代にかけて日本の小劇場界に旋風を巻き起こした「演劇集団キャラメルボックス」での活躍です。成井豊が主宰する同劇団において、近江谷太朗は上川隆也らとともに劇団の屋台骨を支える看板俳優として熱狂的な支持を集めました。
当時の舞台で見せた、汗を飛び散らせながら疾走する圧倒的な熱量と、爽やかでありながらどこか影を宿した繊細な演技は、劇場を満員にする大きな原動力となりました。1998年の退団に至るまで、劇団ブームの最前線で培った「客席の空気を一瞬で変える空間支配力」と「正確な発声・身体表現」が、現在の確固たる演技力のベースになっています。
また、アニメファンにとって忘れられないのが声優としての伝説的実績です。1999年に放送開始された初代TVアニメ『HUNTER×HUNTER』(フジテレビ系)において、メインキャラクターのひとりであるレオリオ役を担当しました。粗暴に見えながら誰よりも仲間思いで情に厚いレオリオの人間味を、深みのある声と卓越した演技力で見事に具現化し、現在もアニメ史に残る名演として語り継がれています。