東京ガス大森グラウンドに関するネット上の情報やサポーターの書き込みには、時折いくつかの事実誤認が見受けられます。報道検証の観点から、代表的な2つの誤解を正しておきます。
誤解1:「FC東京だけの単独サッカー専用施設だった」という誤認
サポーターの間では「FC東京発祥の地」として神格化されているため、大森グラウンドがサッカー専用スタジアムのような環境だったとイメージされがちです。しかし実態は、東京ガス硬式野球部練習場としての比重も極めて高く、広大なグラウンド内に野球場とサッカーグラウンドが併設された複合型スポーツ拠点でした。 東京ガス硬式野球部といえば、都市対抗野球大会を制覇し、数々のプロ野球選手(NPBドラフト指名選手)を輩出した社会人野球の屈指の名門です。サッカー部の選手たちが練習する傍らで、木製バットによる鋭いフリー打撃やノックの号令が響いていた光景こそが大森の日常であり、実業団スポーツ黄金期を象徴するハイブリッドな空間でした。
誤解2:「チームの経営難による緊急売却だった」という噂
ネット掲示板等で「クラブが財政難に陥り、敷地を急遽売り払った」という憶測が語られることがありますが、これも時系列的に誤りです。大森グラウンドの閉鎖と売却・再開発は、JリーグクラブとしてのFC東京の単体赤字とは直接関係していません。 親会社である東京ガス本体の中期経営計画に基づく「保有固定資産の効率化」「臨海部社有地有効活用構想」に沿って綿密に進められた事業判断です。首都高速湾岸線や羽田空港へのアクセスに秀でた大森東エリアの特性を最大限に活かし、低未利用地となっていた社有グラウンドを高収益な物流・都市インフラ拠点へとシフトさせたのが真相です。