教育現場や行政窓口で頻繁に耳にする「支援学校」の正式名称は、特別支援学校です。学校教育法第72条において、「視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、肢体不自由者又は病弱者(身体虚弱者を含む。)に対して、幼稚園、小学校、中学校又は高等学校に準ずる教育を施すとともに、障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るために必要な知識技能を授けること」と明確に規定されています。
幼稚部・小学部・中学部・高等部が設置されており、地域の小中学校に併設される「特別支援学級」とは、法的根拠も設置主体もまったく異なります。支援学級があくまで地域の小中学校内に置かれた「学級」の一つであるのに対し、支援学校は独立した「学校」そのものであり、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)などの専門家が巡回・連携する機能的なリハビリ室やスヌーズレン室、専門の作業学習棟などを完備しています。
では、どのような子どもが対象となるのでしょうか。学校教育法施行令第22条の3では、障害の種別ごとに特別支援学校対象児童生徒の障害の程度が細かく定められています。盲・聾・知的障害・肢体不自由・病弱の各部門に大別され、例えば知的障害特別支援学校の場合、原則として療育手帳の取得基準に準ずる知的発達の遅滞(IQ値等)が考慮されます。
教育相談の現場で特に相談件数が急増しているのが、自閉スペクトラム症(ASD)やADHDといった発達障害を抱える子どもの判定です。発達障害の診断単独では、知的障害を伴わない限り知的障害特別支援学校の入学条件に合致しない自治体が多く見られます。一方で、情緒障害や行動面の著しい困難を抱えるケースに対し、自治体の「就学支援委員会(就学指導委員会)」が医学的見地、心理検査結果(WISC-IV/Vや新版K式発達検査)、本人の適応状態、保護者の意向を総合的に審査して就学判定を下す運用が定着しています。