勝烈庵 馬車道総本店の大きな特徴であり、他のとんかつ店と決定的に異なるのが、美術品との深い関わりだ。昭和を代表する版画界の巨匠・棟方志功は、創業者の理念に深く共鳴し、店主との親交を通じて数々の作品を寄贈した。店内の壁面や個室には、彼の躍動感あふれる直筆の板画や書が自然な形で掲げられている。
店のロゴマークや箸袋に印字された独特の書体も、実は棟方志功の手によるものだ。重厚な木目調のインテリアと調和した作品群は、単なる装飾を超え、店全体を一つの美術館のような空間に仕立て上げている。美味しい料理を味わいながら本物のアートに触れる時間は、訪れる者にとって最高の贅沢と言えるだろう。