長年にわたり明治大学文学部で教鞭を執り、教育学の第一線で学生たちと向き合ってきた彼の基盤には、膨大な臨床知恵と研究の蓄積がある。
大学の講義やゼミの現場は、まさに人間関係の実験場だ。いかにして若い世代の緊張をほぐし、発言を引き出すか。その実践のなかから磨き上げられたのが、彼独自のコミュニケーション論である。彼の理論が実用的とされるのは、教室という生の現場で検証され続けてきたからにほかならない。
教育とは知識を注入することではなく、人と人との「関係性のスイッチ」を入れる作業だという考え方が、彼のすべてのメソッドを支える骨格となっている。